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燃費改善・流体抵抗の改善?Nikonはカメラだけじゃなかった??カメラ以外の新規開発

nikon-technology-eyecatch

今回はちょっと面白いものを発見したのでご紹介してみます。

まず、あなたは【Nikon】と聞いて何をイメージしますか??

多くの場合、ああ、キムタクがCMをしているカメラのメーカーだよね。
とイメージするかと思います。

それもそのはず。
2022年に実施された1,000人の写真家を対象とした使用しているカメラの
メーカーについての結果がこちらにありますが、

Nikonはプロ写真家の中で使用率が堂々の1位を獲得しています。

https://shotkit.com/camera-survey/ より引用。

プロが一番使用しているのがNikonのカメラということですね。

記者会見やスポーツの場面でプロのカメラマンが
Nikonのカメラを使って撮影しているのも目にしたことがありませんか?

そんなプロ御用達のカメラメーカーである、
Nikonですが実は最近カメラ以外のことに力を入れ始めているのはご存じでしたか?

そのことについて今回は取り上げてみようと思います。

この記事を読むことでわかること

ニコンがカメラ以外にも力を入れていることがわかる

自己紹介

サラリーマンしてます。

主に工場(生産現場)で使用する検査装置のアプリケーション開発してます。

ヒトの作業を自動化して簡略化するアプリケーションを日々開発中。

2022年5月に転職。現役バリバリの技術者です。
現在は超大手企業の新規事業分野で装置の研究・開発をしています。

Youtubeチャンネルにさまざまな動画を上げています

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飛行機にNikonの技術が使われている?どういうこと?

この記事を書くきっかけになったのが、
この情報でした。

ニコン、ANA特別塗装機に“サメ肌“模したフィルムを提供。燃費改善に

↑外部のサイトに詳しい内容が載っています。

簡単に要約すると、飛行機の一部にリブレット加工と言われる
サメ肌に模した形状のフィルムを張り付けることで、
燃費改善を実現しよう。というものです。

サメ肌って、あのサメの肌ですよね。

サメ肌の拡大図(https://ngpd.nikon.com/riblet-processing/overview.html)

サメとか触ったことありますか??
今でこそあまり直接魚を触れる水族館も少ないですが、(早く復活してほしい)
以前サメに触る機会がありました。

ザラザラというかなんとも言えない触り心地です。
紙やすりなんかに近いのですが、まったく同じとも言えないし…言葉にしにくい
感触だったのを覚えています。

さて、このサメ肌ですが、特殊な構造をしていて、
海の中で高速に泳ぐために活躍しているそうなんです。

先ほど紹介したNikonのフィルムをつけて試験飛行をしたのが、
2022年の10月と最近のことですが、
このサメ肌を使って水の抵抗が減るのか?については
1980年代から研究が行われていたようです。

サメの皮膚は楯鱗(じゅんりん)と呼ばれる小さな歯のようなウロコに覆われている。1980年代にこの構造が見つかって以来、空気力学的な研究が行われてきたが、水の抵抗(抗力)を減らす効果について研究者の意見は分かれていた。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO27014850W8A210C1000000/
ナショジオ ニュースより

この記事の結論としては、サメ肌が抵抗を減らす要因になっていそうだ。
としています。

実はNikon以外にもサメ肌を飛行機に使ってテストしていた会社があった。

2019年、ルフトハンザ航空のボーイング747-400の胴体下半分のほぼ全体に、
サメ肌の外装を取り付けて、約1500時間以上の飛行試験をしていたようです。

「サメ肌」まとったボーイング777出現へ どんなメリットが? ルフトハンザカーゴ貨物機

その後どれくらいの機体に加工されたかは不明ですが、
少なくても日本のJALやANAといった航空会社が
採用せず、Nikonのリブレット加工を使って試験飛行していることを考えると、
もしかするとインパクトとしてはそこまでだったのかもしれませんね。
さらに詳しく調べてみると、ルフトハンザのリブレットの表面構造は、
約50μmのリブレットと記載がありました。

約50マイクロメートルのリブレットで構成される表面構造は、サメの皮の特性を模倣しているため、航空機の流れに関連する部分の空気抵抗を最適化することが期待されます。ルフトハンザカーゴのボーイング777Fの場合、ルフトハンザテクニックは1%以上の燃料削減を見積もっています。

https://sky-budget.com/2021/05/14/lufthansa-cargo-will-equip-all-boeing-777-freighters-with-aeroshark/

それに対してNikonのリブレットは、NikonのHPで確認したところ、
100μmの間に3つほど山があるように見えますから、
先ほどのルフトハンザの加工よりもさらに細かいようですね。

飛行機に使われる以外への応用もできそう?

car-train

またNikonのHPの内容に戻りますが、
リブレット活用の展望としてこのような記載があります。

リブレットの適用範囲は大きく広がっています。従来より適用検討がされてきた航空機やレースカー、風車に加え、ガスタービンやプロペラ機、ドローン、ポンプ、家電製品などに至るまで、その適用可能性は広がってきています。ニコンはそうした製品を扱う外部の企業様と共に、効果の事前予測からお客様製品での効果検証実験、量産加工まで一気通貫でのサービスを提供しています。

https://ngpd.nikon.com/riblet-processing/overview.html

エネルギーを無駄遣いしないように。
という昨今の時代の流れに沿った適用範囲ですね。

今回は飛行機でしたが、自動車なんかだと、
飛行機よりも圧倒的に台数が多いですし、もし全車の燃費を下げることができるなら
是非車メーカーさんも積極的に採用してほしいですよね。

あとは新幹線のような鉄道関係でしょうか?

今はシールなので、さすがに車にシールを貼っておいて、
洗車ではがれた。なんてさすがにカッコ悪いですが、
どうやら金属に直接リブレット加工も
行うこともできるようです。

さらには、3次元曲面の形状にもリブレット加工を付与できると記載があります。
つまり、自動車の板金すべてにリブレット加工しちゃう。

なんてのもいつか実現するかもしれませんね。

ただその場合、塗装とかはどうなるんでしょうかね?
塗装した板金にリブレット加工?それともリブレット加工した板金に塗装?

とにかく夢がありますね!!

資料のダウンロードだったり、試しにやってみたいときに
受託加工なんかもやってるみたいです。

個人ではなかなか無理ですが、法人の方で興味があれば
一度担当者の人と話してみるというのもいいかもしれませんね。

資料のダウンロードはここでできました。

次世代プロジェクトってなんなの?

このリブレット加工を開発しているのは、
NikonはNikonでも次世代プロジェクト本部というところが行っているようです。

Nikon次世代プロジェクト本部のHP

一切一眼などのカメラが載っていないNikonのホームページということで
ぱっと見Nikonのホームページかどうかわからないですね。

このサイト自体、
2021年11月24日に開設されているので、
記事執筆時点でおよそ1年経過するくらいですね。

Nikonは1917年設立ということで、
Nikon全体から見ると生まれたての事業と言えそうですね。

ちなみにNikonのメイン?HPにも大きく次世代プロジェクトが開発している
装置の写真が載っていますね。

それだけこの次世代プロジェクトを会社が推しているということでしょう。

リブレット加工以外にも次世代プロジェクトでやっているみたい。

さて、ここまでリブレット加工について着目してきましたが、
リブレット加工を含めた4本の柱で開発を進めているようです。

残りの3本の柱についてもHPの情報をまとめてみました。

Additive:金属3Dプリンター

3Dプリンターと言えば、樹脂を積層していくタイプが
少し前から家庭用でも復旧していますよね。

わたしも個人的に趣味で樹脂の3Dプリンターを使用しています。
※最近造形していないですが…

こんな動画も撮ったりしてました。

3Dプリンターで歯車作ってみる
自前の3Dプリンターで歯車を作った時の動画

ただ、樹脂は普及していますが、
金属となるとちょっと話が変わってきますよね。

金属を溶かすとなると家庭用の電源なんかじゃパワーが全然足りないですから…。

なぜNikonが金属3Dプリンター??

ここからはわたしの勝手な予想になります。
この金属3Dプリンター(NikonではLasermeisterという製品)は、
レーザーで金属の粉を溶かして載せていくLMD方式を採用しているとのことですが、
このレーザー、つまり光を使っているのがポイントなんじゃないかと思いました。

Nikonと言えばカメラの分野で光を使うことは得意分野のはずです。
光学的な分野って結構特殊ですからね。

今でこそ中国メーカーがちょろちょろとレンズを作ったりしていますが、
それまでは日本・ヨーロッパの独壇場だったわけです。

簡単にまねしようとしてもまねできない。
光学とは、そんな奥の深い分野なわけです。

さらに、解説に載っていましたが、
金属の溶融状況を観測して金属の粉の出方を調整したり、
レーザーの出力を制御して造形品質を上げているとのことで、
ここでもカメラメーカーの得意なところが生かせているような印象です。

フィードバックをかけるとこんなにきれいに造形できるよ。という例(https://ngpd.nikon.com/additive-manufacturing/overview.html)

Subtractive:除去加工

Nikonでは除去加工もレーザーで行っているようです。

除去加工と言えば今でも主流は機械加工ですよね。
いわゆるマシニングだったり、フライスだったり。
刃物で削っていく手法ですね。

さて、レーザーで除去加工をするメリットは何でしょうか??

わたしが個人的に魅力的だなと思ったものを2つご紹介します。

職人のきさげ加工を再現

そもそもきさげとは、
平面度が高い金属同士を可動部に持ってきた場合に、
相互に固着してしまう【リンキング】が発生しますが、
それを防止するための表面処理のようなものです。

具体的には、この加工により微小な油をためておく傷のようなものを掘ることにより、
潤滑油が留まり固着を防ぐというメカニズムです。

さて、このきさげですが、
数μmの精度の加工を行う必要があることが一般に知られています。

この数μmの精度の加工ですが、
いまだ機械加工では実現できていない精度です。

現在はひとの手作業。つまり職人の経験と勘を頼りに作られています。

そんなきさげ加工ですが、
このNikonの除去加工の装置で
実現してしまったというのです。

これ結構すごいことじゃないですか??

きさげ加工をNikonのレーザー加工機で再現した結果(https://ngpd.nikon.com/subtractive-processing/scraping.html)

機上計測で得られたμm単位高さの結果に対して、
ピッタリと一致できていますよね。

オレンジの目標形状が職人さんのきさげ加工の表面とのことです。

きさげ加工は可動部の精度や、リンキング防止という観点から言うと
重要な加工ですから、これからどんどん引き合いが来てもおかしくないですよね。

削るのが難しい硬いもの・脆いものの加工を実現

従来の機械加工だと、
基本的に削られるものは刃が物理的に接触しますから、
力が加わります。

力が加わってほしくない非常にもろい材質・形状のモノの場合、
機械加工はできないという判断になります。

ただ、このレーザーを使ったNikonの除去加工機は、
物理的な力が加わらないのです。レーザーですから。

そのため、半導体関係で使われるシリコンウェハのような
非常に薄くて脆いワークに対しても安全に除去加工できるというわけです。

シリコンウェハの表面上に除去加工を施した様子(https://ngpd.nikon.com/subtractive-processing/brittle-materials.html)

他にも、削るのが難しい硬くて脆いものと言えば、
セラミックなんかがありますよね?

セラミックの加工も同様にレーザーを使用することで、
割れ・欠けを発生させることなく加工できています。

セラミックをレーザーの除去加工装置で加工した結果

RobotVision:ロボットビジョン

ロボットビジョンだったりマシンビジョンというのは、
昨今ものづくり界隈ではにぎわっているジャンルですよね。

Nikonはもともとカメラをずっと作っているメーカーですから、
この分野でも活躍できるのは当然と言えば当然でしょうか。

ただ、カメラを作っていたとしても、
つかむ対象物の形状を測定したり、動きを検知するのは
ちょっとジャンルが違いますから一筋縄ではいかないのでしょうかね…

この章に関しては、わたしが言葉で説明しても
わかりにくいと思いますから、NikonのHPにアクセスして
ご自分で確認していただいたほうがよろしいかと思います。

Nikonのロボットビジョンを紹介しているページ

動画がたくさんあってわかりやすいです。

今後のNikonに目が離せない。

カメラのイメージが強いNikonですが、
新しい事業にどんどん進出しているのがわかっていただけましたね。

実はわたしのお話になってしまいますが、
初めて購入した一眼はNikonのカメラでメーカーとしての
思い入れが深かったりします。

カメラがスマホでいいじゃんという流れになって
久しいですが、
Nikonにも新しい事業にどんどん進出して
カメラ以外でも世界に名を轟かせるのも時間の問題かもしれませんね!

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