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PLCのPNP/NPN(ソース・シンク)出力とオープンコレクタ出力を徹底解説

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 PLC を初めて扱う人がよく誤解するポイントがあります。
それは、「PLC の出力は 24V なんだから、PLCから外部機器に 24V を直接流して制御する」という考え方です。※後述しますが、この考え方はソース出力/PNP出力と呼ばれます。

 しかし実際には、PLC の出力は単純な電源出力ではなく、電流の流れ方(ソースかシンクか)を前提に設計されています。多くのPLC(日本の場合)は、シンク出力を採用しています。シンク出力は、ソース出力と異なり、PLCから24Vを流す制御ではありません。むしろ逆のことをします。逆って何?って思うかもしれませんが、本記事でしっかり解説するので安心してください。

 このシンク/ソース出力の違いは、PLCを触り始めた人にとっては理解しにくいと思います。わたしもPLCで回路設計するときに、どっちがどっちだっけ?と確認しながらやっていたという経験もあります。

 本記事では、以上の出力方式について詳細に解説していきます。

この記事を読むことでわかること

オープンコレクタ出力とPNP/NPN(ソース/シンク)出力について正しく理解できる。

自己紹介

東証一部上場企業でサラリーマンしてます。

主に工場(生産現場)で使用する検査装置のアプリケーション開発してます。

ヒトの作業を自動化して簡略化するアプリケーションを日々開発中。

転職に成功して現在は超大手企業で、電気・制御の分野で装置の研究開発をしています。

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PLC の PNP 出力と NPN(シンク)出力の違い

PLC の出力方式には、PNP出力(ソース出力)と NPN出力(シンク出力)の 2 種類があります。
この違いを理解すると、オープンコレクタとの関係がより明確になります。

PNP 出力(ソース出力)

PNP 出力は、内部の PNP トランジスタで +24V を出力端子へ供給します。

  • ON:出力端子に +24V を供給
  • OFF:出力端子は開放(ハイインピーダンス)

このため、外部機器側は GND をコモン にして信号を受け取ります。
PNP 出力は「+24V を出す側」です。制御側(PLC)から、制御される側に24Vを供給します。

この場合、スイッチ(トランジスタ)が負荷よりも電源側に近いので、ハイサイドにスイッチがある。というわけで、ハイサイドスイッチと呼びます。

NPN 出力(シンク出力)

NPN 出力は、内部の NPN トランジスタで 出力端子を GND に引き込む方式です。

  • ON:出力端子を GND に落とす(シンク)
  • OFF:出力端子は開放(ハイインピーダンス)

外部機器側は +24V をコモン にして信号を受け取ります。
NPN 出力は「GND を出す側」です。制御される側から、制御側に24Vが流れます。出口を作ってあげるイメージです。

この場合、スイッチ(トランジスタ)が負荷よりも GND側に近いので、ローサイドにスイッチがある。というわけで、ローサイドスイッチと呼びます。

PNP と NPN は電流の流れが逆

簡単にPNP出力とNPN出力について解説しましたが、特徴的なのは、電流の流れる向きです。

  • PNP 出力:+24V→エミッタ→コレクタ→外部機器→GND
  • NPN 出力:+24V → 外部機器 →コレクタ→エミッタ→GND

この「どちらが電源側を担当するか」の違いが、外部機器との整合性に大きく影響します。NPN出力の、GND側を操作して電流を引っ張るというのが最初はイメージしづらいかもしれないです。

PNP出力の場合は、外部機器への24Vの入り口をスイッチし、NPN出力の場合は、外部機器からの出口をスイッチする。という役割の違いです。どちらの場合でも、外部機器に24Vがかかる、かからないという意味では同じです。やり方の違いということです。

PLCはNPN出力とPNP出力どちらが主流?世界的にはPNP出力

 では、一般的にNPN出力とPNP出力のどちらが多く採用されているのでしょうか。
結論としては、現在の産業界ではPNP出力(ソース出力)が主流です。特に欧州規格に合わせた機器や海外製センサーではPNPが標準となっており、世界的にはPNP出力が優勢です。ここが重要なポイントです。

一方で、日本の制御盤ではNPN出力が今でも多く使われています
これは単なる“好み”ではなく、歴史的背景と技術文化の積み重ねによるものです。

日本でNPN出力が普及した理由

日本の電子回路は長く、NPNトランジスタのオープンコレクタ方式を中心に発展してきました。センサー、フォトカプラ、TTL/CMOSロジックなど、多くの機器が「GND側に引き込む」文化で統一されていたため、PLCも自然とNPN方式に合わせて設計されてきたのです。
さらに、昔の制御盤では電源が統一されていないことも多く、GNDを共通化しておけばとりあえず動くというNPN方式は、現場にとって扱いやすい方式でした。

こうした背景が積み重なり、現場では「NPNが普通」という感覚が今も残っています。

現場にとって扱いやすかったという話を少し掘り下げてみましょう。
扱いやすさの理由のひとつに、NPNはGND側(出口側)をスイッチする方式で、PLCが電源供給を統一的に担わなくてよいという点にあります。これは“電流負担が軽い”という意味ではなく、昔の現場で電源事情がバラバラだった時代に、NPN方式が圧倒的に扱いやすかったという意味です。外部機器側で自由に電源を構成できるため、システム全体の柔軟性が高かったのです。

現場では昔から24V電源を使っていますが、この電源が22Vだったり20Vだったりする場合を考えてみましょう。※今そのような品質が悪いものはほとんどないので、探すほうが難しいですが…

NPN出力の場合、うれしいことがあります。それが、ON/OFFの基準となるのが、GNDに落ちたらONというところです。つまり、電源が22Vだろうと20Vだろうと、GNDと同じに落ちたらONになります。一方PNP出力の場合は、24VでONになる想定ですから、20VではONにならない。ということも最悪あり得るわけです。

欧州でPNP出力が普及した理由

欧州でPNP出力が広く普及したのは1990年代です。この時期、欧州の安全規格(IEC 60204-1 など)で直流制御回路の 0V 接地が求められたことが背景にあります。0V接地は正論理を前提とした設計思想であり、結果としてPNP方式(+側スイッチ)が安全思想と整合しやすくなりました。

欧州の安全規格が「PNPを使え」と明記したわけではありませんが、0V接地の思想により、PNP方式が安全機器や制御機器で採用されやすい環境が整いました。

さらに、1990年代に普及した安全機器(ライトカーテンなど)のOSSD(断線・短絡・故障を自己診断できる、「壊れたら止まる」安全設計)出力がPNPを標準採用したこと、そして欧州の主要センサーメーカー(SICK、IFM、P+F など)がPNPを標準出力として採用したことにより、欧州全体がPNP文化へと移行しました。

オープンコレクタ出力は NPN(シンク)と同じ動作

オープンコレクタは NPN トランジスタで GND に落とす方式です。つまり、言い換えれば、PLC の NPN(シンク)出力と役割は同じです。

 厳密には、PLCのほうは、内部にドライブICや保護回路を内蔵することで、電流容量や保護する仕組みを持っているため、単なるNPNトランジスタのオープンコレクタと同じとは呼べません。ただし、GNDに落とす。という役割としては、オープンコレクタもシンク出力も共通です。

 また、PLCに限らず、信号をON/OFFするようなデバイスでは、オープンコレクタ方式を採用しているものも存在します。ですから、PLCに限った話ではなく、場合によっては頻繁に接することになります。オープンコレクタ方式と言われたら、『ああ。シンク出力ね。』と頭の中で変換できれば大丈夫です。

オープンコレクタ出力は「GND に落とすだけ」のスイッチ

オープンコレクタ出力は、NPN トランジスタのコレクタが外部に出ている構造で、

  • ON:出力端子を GND に引き込む
  • OFF:出力端子は開放(Hi-Z)

という動作をします。
つまり、オープンコレクタは0V を作ることはできるが、電圧を出すことはできないという点が重要です。この電圧を出すことはできないというのが重要で、例えば、24Vの信号が入ってきたらトリガーが入るようなモジュールを直接つないでも、何も起きないのです。

プルアップ抵抗が必要な理由

オープンコレクタは自分で電圧を出せないため、外部から電圧を与えてプルアップする必要があります。
例えば +5V にプルアップすれば、

  • OFF:抵抗を通じて +5V(論理 H)
  • ON:GND に落ちて 0V(論理 L)

という形で信号として扱えるようになります。注意点としては、プルアップ電圧は、外部機器で使用する入力電圧によって変わります。24Vで動く外部機器なら、プルアップ電圧は24Vを使用します。

Pch MOSFET による「NPN → PNP」変換が必要になる理由

PchMOSFETは、ゲートをGNDに落とすとONし、+24Vを出力できるハイサイドスイッチとして動作します。具体的には、ゲートソース間電圧$V_{GS}$が-24Vになったらドレインからソースに電流が流れる経路ができます。

  • ゲート ≒ +24V → OFF
  • ゲート ≒ 0V → ON(+24V を出力)

これは、オープンコレクタの「GND に落とす」動作と非常に相性が良く、
オープンコレクタ(NPN 的動作)をPNP的な+24V出力に変換できるということです。

例えば、オープンコレクタ出力しかできないモジュールAと、24V入力でONとなるモジュールBがあったとします。この場合、Aのオープンコレクタ出力とBの入力を直接つないでも何も起きません。なぜだかわかりますか?

答えは、モジュールAをON/OFFしても、モジュールBの入力端子には必要な24Vが永遠に入ってこないからです。

ただ、モジュールAのON/OFF制御によって、モジュールBもON/OFFしたい場合はどうしたらいいでしょうか?やるべきことは変換です。

 オープンコレクタ出力をPNP(ソース)出力に変換するために、変換基板を作ってみました。その時の回路や内容は別の記事でご紹介しています。こちらをご覧ください。

この記事のまとめ

今回のまとめ
  • オープンコレクタは「GND に落とすだけ」の NPN 的動作と同じ。
  • PLC には PNP(ソース)出力と NPN(シンク)出力がある。
  • PLCのPNP出力 は +24V を出す、NPN出力 は GND に落とす
  • PLC の入力が PNP出力を期待する場合、オープンコレクタではON/OFFできない。
  • Pch MOSFET を使うことで、オープンコレクタを +24V 出力に変換できる
    ※回路など詳細は別記事にて紹介。

 今回はPLC初心者が配線したり、出力先の機器の選定をするときに、最初にひっかかるPNP出力とNPN出力についてご紹介しました。

 わかってしまえばなんてことはないのですが、シンク出力はなじみがないとなかなか理解するのが難しいですよね…この機会にマスターしてみてください。

 また、最後になりますが、今回はPLCの出力としてNPN/PNP出力をご紹介しましたが、これは出力の話です。PLCの入力側がどうなるか?については別記事で解説します。