電子工作で回路を作ると言ったら、まずはこのブレッドボードはほぼ必須の道具です。もちろん用途によって使うor使わないは選択するべきですが、それでもブレッドボードを知らないのは非常にもったいない。
電子工作始めようと考えている人には、「絶対に必要」と断言できます。それくらい、回路を作るときには便利なアイテムです。なにがそんなに便利なのか?内部の仕組みはどうなっているか?についても詳しく解説します。
ブレッドボードを使う利点と、内部の仕組みについて理解できる。
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ブレッドボードってどんな仕組み?
ブレッドボードの仕組みについて解説します。まず、見た目はこんな感じです。

穴の空いた板って感じですよね。ブレッドボードの名前の由来ですが、わたしも由来までは知らなかったので調べてみました。こんな由来らしいです。
電子回路がまだ黎明期だった頃、アマチュアの愛好家たちは、手に入りやすく安価で丈夫な木製のパン切り板を土台として利用していました。この板に釘などを打ち付け、そこに電子部品のリード線やワイヤーを巻き付けて回路を組んでいたため、このような仮組み用の基板を「ブレッドボード」と呼ぶようになりました。
現在主流となっている、はんだ付け不要で部品を差し込むだけで回路が組めるプラスチック製のブレッドボードは、1971年に特許が取得され、その後普及していきました。しかし、その名前は、かつてのパン切り板を使った歴史的な経緯を引き継いでいるのです。
ということのようです。最初は本当にパンを切る板を使っていたんですね…すごい発想力です。しかも現在のプラスチックのブレッドボードで特許が取られたのが1971年ですから、比較的最近できたことがわかりますね。
由来はわかりましたが、これだけ見ても、穴だらけのただの板ですよね。詳しい中身や仕組みについて解説していきます。
穴の中に金属のクリップが入っている
ブレッドボードの内部構造をご紹介しましょう。内部構造は、裏を見てみればわかります。
一般的なブレッドボードは裏側に両面テープが付いていて、内部の構造を確認することはできません。ですので私があなたの代わりにひっぺがしてご覧に入れましょう!

これが裏側をひっぺがした状態です。金属の棒がたくさん並んでいるのがわかりますね。材質はアルミで、棒というか板がUの字になって差し込まれています。
部品を差し込むだけで配線できる
内部構造をご覧いただいた通り、内部で金属の板で縦横に並んでいます。この板のおかげで、部品を差し込むだけで部品同士の接続が完了します。例えばこんな感じ。

これだけで実はAとBはつながっています。魔法みたいですよね。これは、横方向に金属の板がつながっているため、緑の線もオレンジの線も先端は同じところにつながっているわけです。
ブレッドボードを使わない場合を考えてみましょう。例えば、LEDと抵抗を電池につなぐ場合、このように線でつなぎますよね。この写真ではつないでいませんが、各ポイントをつなげないとLEDが光りません。

この場合はんだ付けが一般的だと思います。このはんだ付け作業が初心者にはハードルが高い。さらに、慣れていたとしても、ちょっと変更したいときにいちいち時間がかかって面倒な作業なんですよね….
ただ、ブレッドボードを使えば、こんなにスッキリするんです。

もちろんはんだづけ作業は一切不要です。これは画期的ですよね。なぜこれでLEDが光るのか?については後で解説します。
内部の接続ルールを理解する
ブレッドボードが画期的なことをお伝えしたので、次にブレッドボードに接続するときのルールについてご説明していきます。前の章でアルミの板が裏側に内蔵されていることはお伝えしました。ここでは、表から見た場合のルールを確認します。
横一列がつながっているエリア
まず横方向です。横一列につながっているのは赤枠で囲んだエリアです。

具体的には、細丸で囲った範囲のみ繋がっています。丸同士は繋がっていませんのでご注意ください。あくまで、囲んだところのそれぞれがつながっているだけです。

縦一列がつながっているエリア(電源ライン)
次に縦方向に繋がっているエリアです。縦方向は繋がる本数が、横方向に比べて圧倒的に多いです。これには理由があります。実は、回路のなかでどうしても使用頻度が多くなるピンというのが存在します。それが、電源とGNDつまり+とーです。

電源とGNDは、ICを使ったりすると、IC1個につき1ペアの電源・GND線が必要になります。ですから、ブレッドボードで回路を組むときに、自然と電源・GND線をたくさん使いたくなります。
たくさん使いたいのに、横一列のエリアだけでカバーしようとしたら結構たいへんですよね?なので、この縦の長いところを使って、電源・GNDを共用するという考え方なのです。
また、長いブレッドボードの場合、途中で金属板が中断しているタイプもあります。その場合は、違う電圧の電源を使えるメリットがあります。
ただし、中断していると、赤丸に電源を繋いでも、緑丸には電源が来ていないので注意が必要です。たまにあれ、電源来ないな…となるときはたいていこの勘違いがありますのでご注意を。
【応用編】ICを中央の溝をまたいで挿す理由
ここまでで、ブレッドボードの内部の構造は理解できたと思います。では、ここで応用編として、ICをブレッドボードに載せて使う場合を考えてみましょう。
ICとは、足が沢山生えているパーツです。それぞれの足に別々の機能を持っています。もしこのICをブレッドボードに挿すならどうするでしょう?
まちがいとしてよくあるのはこうです。

何がまちがっているでしょうか?ちょっと考えてみてください。
実は、まちがいの配線では、横同士のピンが直接つながることになります。先ほど、それぞれの足に別々の機能があるとお伝えしました。つまり、ピン同士がショートしてしまうと、最悪ICが壊れてしまうのです。

ですから、ブレッドボードを使う場合の、正しいICの挿し方はこうなります。

こうすれば、それぞれの足に接続することができますよね?
ジャンパワイヤーで部品間を配線する
部品の挿し方や、ブレッドボードの仕組みについて理解できたと思います。それでは、ここからは部品同士をつなげるための配線作業について解説していきます。
ブレッドボードの配線作業に使う一般的な線は、ジャンパーワイヤーと呼ばれ、先端が細い針金になっています。この先端の針金がブレッドボードにしっかり刺さります。
ジャンパーワイヤーにはオスとメスがある
ジャンパーワイヤーにはオスとメスがあります。現物を見たほうがイメージしやすいので先にお見せしましょう。

オスのジャンパーワイヤーはブレッドボードに刺さりますが、メスは刺さりません。では、メスのジャンパーワイヤーは不要か?というとそんなことはありません。
メスのジャンパーワイヤは、ジャンパーワイヤーを延長したり、すでにICから生えているオスの端子と接続するために使います。
すでにICから生えているオスの端子とはこんな感じのものです。これに接続しようとしたら、この足を直接ブレッドボードに挿せばいいですが、こんな基板がブレッドボード上に鎮座していたら、いかんせん邪魔ですよね?なので、メスのジャンパーワイヤーを使って、ブレッドボードの外においておきます。
短いものから長いものまで
ジャンパーワイヤーには、短いものや長いものなどバリエーションが豊かです。部品同士の距離が近いor遠いでジャンパーワイヤーも使い分けをするのが一般的です。
そのため、複数の長さのジャンパーワイヤーを用意しておくのが望ましいです。ただし、先程お伝えしたように、メスのジャンパーワイヤーをうまく使うことで、短いジャンパーワイヤーでも延長が可能です。ですから、短いオスとメスのジャンパーワイヤーを用意して、必要に応じて連結することで対応するのもいいかもしれません。
ただ、わざわざジャンパーワイヤーの長さのバリエーションを減らせたのに、メスのジャンパーワイヤーを用意したら結局プラス・マイナスゼロ無きもしますが…
色分けして分かりやすく
ジャンパーワイヤーは、どの商品もカラフルです。これは、回路が複雑になっても、配線の色によって接続先がわかりやすくする工夫です。ですから、ぜひ色に意味を持たせて配線してみてください。

今回のまとめ「ブレッドボードは電子工作の必須アイテム」
それでは今回の記事のまとめです。
- ブレッドボードの内部構造を紹介しました。
- ブレッドボードの具体的な使い方について紹介しました。
- ブレッドボードを使うメリットについて説明しました。
ブレッドボードは電子工作を効率的に、ラクにやってみるには必須のアイテムです。昔ながらのはんだ付けしか認めないという人もいるかも知れませんが、はんだ付けは手間も時間もかかります。少し修正したい場合にはもっと時間がかかります。
ブレッドボードを使えば手間も時間も節約できますし、修正もあっという間にできます。電子工作を始めてみようと思っているなら、手に入れておくことをおすすめします。
ちなみに通販サイトでも取扱っているので、入手性も問題ないので安心して下さい。
他にも、LEDを点灯させるのに使用した部品も念のためこちらにリンクを貼っておきます。
乾電池ケース
LEDと抵抗、その他セット